スマート農業
農家の高齢化や後継者不足の問題、また農作業には力仕事や危険な作業が多いことなど、農業には多くの課題があります。食料の供給を担う立場として、少人数で農産物を効率良く作り、農業技術を継承して発展させるためには、ITやIoT、AIの力を活用した新しい設備や技術の導入は不可欠です。当農園では平成28年よりスマート化に取り組んでいます。
◆遠隔操作によるポンプの電源操作
台地にある当農園の田んぼでは、渓流から「揚水ポンプ」を使って水を汲み上げています。このポンプの操作を携帯電話やスマートフォンを使って電源のオン・オフを行っています。わざわざポンプ施設に行かなくても電源操作ができるので非常に便利です。
(ポンプ施設と電源スイッチ類)
◆ライブカメラ
ポンプの作動状況と田んぼの状況をみるために「ライブカメラ」を設置しています。遠隔操作でポンプの電源を操作したときに水が田んぼに入っているか、あるいはポンプが止まったかを知る必要があります。このカメラは、スマホで現場の様子がリアルタイムに映し出されるので、ポンプの動作、圃場の天候や生育状況などが確認できます。なお、インターネット環境はモバイルルータ(ポケットwifi)を使用しています。
(カメラとモバイルルータ)
(カメラ映像)
◆自動給水栓
自宅から数キロ離れた田んぼの水位を、一枚一枚管理するには多くの時間と手間がかかります。この自動給水栓は”フロート”が動く範囲を指定することで、田んぼの水位(最高水位、最低水位)を設定することができます。装置は機械式なので電源は不要です。設定水位に達するとバルブが自動で開閉して給水・停止します。毎朝、毎夕、田んぼに行かなくてもよくなりました。
◆水位センサー
田んぼの水位を確認するために「水位センサー」を設置しています。田んぼの水位は自動給水栓で給水・停止されますが、これらが異常なく作動しているかを、スマートフォンのアプリにて確認することができます。特に田植え後、一定期間の水管理作業は稲の生育に大変重要ですから、田んぼの水位が一元管理できることは美味しいお米を作るために役立っています。
(水位センサー)
(スマートフォンのアプリ画面)
また、当農園では令和2年度農水省・農研機構「スマート農業実証プロジェクト」(外部リンク)の検証農家として様々な課題に取り組んでいます。
(リモコン式除草機:傾斜55度くらいの急斜面でもウインチがついているので、上り下りができます)
(農業用ドローン:液肥などの散布に活用しています)
(小型ドローン:肥料ムラや葉色診断ができます)
(開水路用 自動給水ゲート:水位センサーと一緒につかうことで自動給水ができます)